ネック継ぎ

そうそう頻繁にあるわけではない(やりたくない)ネック継ぎの修理の模様です。

Before → Afteはご覧になった事がある方もいると思いますが、順を追って見たことがある方は中々いないと思うので順を追って載せていこうと思います。
自分の場合はこの手順です。やり方が違うとか手順が違うとか御意見は沢山あるかと思いますがご了承下さい。


①大前提としてなぜ継ながなければいけないのかですが、このネックは虫食いが酷いので繋ぐことになりました。




②ネックを継ぐ元の材と新たに継ぐ材の年輪や杢の幅、木の色は出来るだけ合わせ、新たに材料を準備し大まかに木取りして数日置いておきます。大きい材から木取ってから、歪みなどが出るので少し放置し、面を出しています。




③ネックの両サイドと下部分に鋸を入れ




④ネックを切り離します。




⑤元のネックの面を出し新たに仕込む材の面も同時に出します。ここは時間を空けないで一気にやらないといけません、時間が掛かると接着面も湿度や材料によって変化しますし、何より材料を何度も触るのは手の汗や油なども入るかもしれないのでスピード勝負です。




⑥仕込んでいく際の注意点として指板接着面はスクロールの少し上にラインがいくように角度を合わせます、横から見るとこんな感じ。(オールド楽器は線ぴったり、モダン以降は線の1mmほど下にスクロールが来るようにしています。)




⑦接着し、乾いたらペグボックスを整形しそのまま大体の荒削り状態でネックを仕込み、指板まで接着し指板整形してしまいます。




⑧ネック周りを指板と共に仕上げます。ボタン部につながるヒールもこの時一緒に仕上げます。




⑨ニスの補修をして完成です。




※③〜⑥までは2〜3時間で終わらせるのが一番ベストだと思います。

以上がネック継ぎの自分の手順になります。