テールピースに関するお話 (2月5日 追記)



まずはこちらの画像。2つの違いがわかりますか?



テールピースのカーブの違いです。上に比べ下のは平らに近いですね。これ、実は大変な違いになります。
平らだと1番線と4番線(最高音と最低音)が硬く浮いた感じになりやすいです。カーブは楽器にもよって変わりますし、弦の幅や、4弦の間隔もとても大事です。材料の違いや値段も大事かもしれないですが1番基礎の基礎。
気にした事ありますか?



続いて弦の幅について。まずはこちらの画像をご覧ください。



この画像は4弦の幅が均一ではありません。真ん中(2番線と3番線の間隔)が狭く、右側(1番線と2番線の間隔)が広いです。
これは指板側にある上ナット同様センターから均一に弦が割られるべき部分です、チェックしてみましょう。



次にアジャスターの問題についてです。



左右の画像、アジャスターの種類が違うのは明らかですが、今回の問題点は左の画像の場合、1番線がテールピースの枕(横木)に乗らないで枕の上から弦がかかっている事です。隣の2番線はちゃんと枕の上に乗り駒に弦が掛かっています。右の画像では1番線もちゃんと枕の上から弦が出ています。
ここの部分をきちんと枕の上に乗るようにし、かつセンターから等間隔に弦がかかるように弦割りをし、テールピースのカーブを整えなければ弦はちゃんと掛かりません。
このアジャスターがダメ、これが良いとかそういった話では無く右画像のアジャスターでもきちんと調整すれば枕の上から弦が掛かるようになります。そうでないとテールピースは捻れ、1番線の音は大体硬く感じ2番線はモコモコする感じになりやすいです。
高価なアジャスターでも安価なアジャスターでも形は色々ありますが基本は同じなので1度チェックしてみましょう。



そしてセットのお話。NEW
ガラスの平面の出ている板の上にテールピースを置いてテールガットの穴側から見た画像です。



テールピースの弦の掛かるe線とg線を結び(画像の1番上の線)ガラスの板のライン(1番下の黒い線)を見るとほぼ並行です。それに比べテールガットの穴(線で言うと真ん中)は右側の穴が上側にあって先の2本に比べると平行とは言いにくい状況です。
この状態だとテールピースは楽器に対し捻れてセットされるのでバランスは整いません。
この場合ガットの穴を埋め、正しい位置に開け直すか弦のかかるe線側の枕の位置を下げるかしてテールピースの捻れを取り除かなければいけません。高級な物でもどんなに材料が良い物でも安物でも同じことです。このラインが平行でかつ、センターから均等に穴が空いているか、均等に弦が掛かっているかどうかが重要です。